「長年、親不幸を重ねてきた子どもがいる」 「全く交流のない前妻との子に、今の家族の財産を渡したくない」 あるいは 「もし自分に借金があったら、家族を巻き込みたくない」
こうした悩みは、実は多くの方が抱えていらっしゃいます。 遺言書は、単に財産を分けるためだけのものではありません。あなたの守りたいものを守るための「防波堤」としての役割も持っています。
法律上、特定の相続人に財産を渡したくない、あるいは減らしたいと考える場合、遺言書でその意思を明確にすることができます。
•相続分を減らす・ゼロにする:
遺言書で「〇〇には財産を相続させない」と指定することが可能です。
※ただし、配偶者や子、父母には「遺留分(最低限の取り分)」があるため、完全にゼロにしても請求されるリスクは残ります。この点は専門家との事前の設計が重要です。
•相続人の「廃除(はいじょ)」:
もし、その相続人から虐待を受けたり、重大な侮辱を受けたりした事実がある場合は、遺言書に「相続廃除」の意思を記すことができます。
これにより、あなたの死後、家庭裁判所がその事由を認めた場合、その人は相続人としての権利を完全に失います。
もし、あなたに借金や保証債務などの「マイナス財産」がある場合、それを隠さずに明らかにしておくことも、残された家族への思いやりです。
遺言書とともに正確な「財産目録」を残しておけば、それを見た家族は以下の3つの選択肢を落ち着いて検討することができます。
1.単純承認:
すべての財産(プラスもマイナスも)を引き継ぐ。
2.限定承認:
プラスの財産の範囲内でのみ、マイナスの財産を引き継ぐ。
3.相続放棄:
すべての財産を引き継がない。
相続が始まってからこれらを判断する期間(熟慮期間)は、原則として「3ヶ月」しかありません。遺言書で情報が整理されていれば、家族が無理な借金を背負うリスクを最小限に抑えることができるのです。
「なぜ相続させないのか」「なぜ借金があるのか」という理由は、言葉で残さなければ、残された家族に誤解やわだかまりを生むかもしれません。
遺言書の「付言(ふげん)事項」を活用して、あなたの苦渋の決断や、家族を想うがゆえの判断であることをメッセージとして添えることで、感情的な争いを和らげる効果も期待できます。
「特定の誰かに遺したくない」「借金のことを言えない」といった悩みは、一人で抱え込むとどんどん重くなってしまいます。
しかし、遺言書という法的な書面にしておくことで、あなたの死後、あなたの代わりにその意思が家族を守ってくれます。
「こんなこと相談してもいいのかな?」と思うような内容でも、まずは行政書士という第三者の立場でお話を伺います。あなたの複雑な想いを整理し、後悔のない形にするお手伝いをいたします。